エステティック学術会議


~セーフティエステティック向上月間~

■第17回エステティック学術会議

●化粧品の最新情報と安全性

配信期間2024年11月1日~11月30日 Web配信

受講料無料 メール確認後、11月1日にURL及びIDとパスワードをメールにてお送りいたします。

申込方法
タイトル第17回エステティック学術会議受講希望
本 文氏名(ふりがな)、連絡先電話番号、メールアドレスを記載の上
送信してください。

主催公益財団法人日本エステティック研究財団

後援厚生労働省

協力全国理容生活衛生同業組合連合会
全日本美容業生活衛生同業組合連合会
一般社団法人日本エステティック協会
一般社団法人日本エステティック業協会


○講演内容

基調講演「機能性化粧品の安全性と効能評価」
関東 裕美氏 公益財団法人日本エステティック研究財団 理事長
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教育講演「アンチエイジング化粧品 ~シワ・シミ対策~」
大場 愛氏 株式会社ポーラ ブランドクリエイティブ部
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教育講演
「メンズのための紫外線ケア&基本メイク
~ワンポイント魅力アップ提案~」

山口 知美氏 株式会社資生堂 グローバルブランド価値開発センター
クロスブランド価値開発室
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共催セミナー
(共催 一般社団法人日本エステティック協会)
「近年における生活者の美容意識・行動について
~web調査の結果から~」

村上 泉子氏 花王株式会社 化粧品事業部門
ビューティリサーチ&クリエーションセンター

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関東裕美(顔写真)
基調講演
機能性化粧品の安全性と効能評価

関東 裕美 公益財団法人日本エステティック研究財団 理事長

 少子高齢化社会となり価値観、自己表現や美意識の多様化など、社会全体の意識改革が進み、各自の生活の質改善に化粧品を取り入れたいと思う人々が増えているようである。実際女性は社会活動に参加するための化粧が日常生活上必要になることが多い。若年男性の美容意識の高さは皮膚科医として日常診療で大いに感じるようになってきた。男女ともにアレルギー患者が増えている背景があり、皮膚のバリア機能維持に必要な化粧指導が必要であるとも感じている。高齢者男性においてもシミや老人性疣の治療希望で受診されるが、治療後の自身のスキンケアについての知識が十分ではない。もちろん治療後に今後シミや疣を再発させないためには抗老化対策が必要なことを説得しているがその必要性を理解しても自身の生活に取り入れるのは難しいようである。化粧品を過剰に使用する若年男性と化粧品の必要性を理解はしても実行できない高齢者男性を診ながら老若男女に機会均等に化粧品指導の機会があるのは理美容師やエステティシャンなのかもしれないと感じている。皮膚疾患や内臓疾患を抱えている状況で脆弱皮膚になっているような場合は化粧の指導は容易ではない。日々変化する外的環境変化と自身の内的環境変化のバランスが取れず、皮膚の乾燥や汗、皮脂のケアがうまくいかないのに日常の化粧は継続せざるを得ない場合もある。一般常識として外気や汗、皮脂で汚れてしまうので皮膚洗浄をすることが皮膚の健康につながると考えられている。確かに感染対策上洗顔は不可欠で、季節や年齢、皮膚状況により洗浄剤の使い分けをして健康な皮膚を維持できるような指導が要求される。ストレス社会の中で7割以上の女性が敏感皮膚であると自覚しているといわれるが、男性でも同じように社会生活に参加していく中で自身の皮膚管理が難しいこともある。通常皮膚トラブルを感じると過剰洗浄をしてしまうようで、病原微生物の侵入や外的刺激から守るバリア機能をさらに低下させてしまうことが多い。花粉症や喘息などアトピー体質があると嗜癖行為として皮膚を擦ってしまう習慣があり、過剰洗顔が加わるとバリア機能はさらに損なわれ化粧品に刺激を感じるようになって化粧行為を止めてしまうこともある。外気や紫外線から守るための基礎化粧をしないことでさらに顔面の過敏症状は悪化するという悪循環を繰り返すようになる。顔に何をつけたらよいのか分からないと受診する皮膚炎患者を経験するが、洗顔行為だけは継続している患者が多い。
 今年の学術会議では理美容師やエステティシャン達がお客様からのスキンケア相談に応じられる適切な知識を身につけて欲しいと願い~化粧品の最新情報と安全性~をテーマに学術会議を企画した。基調講演では「機能性化粧品の安全性と効能評価」について日常診療で経験した皮膚障害例を交えて講演をさせて頂く。
 教育講演では「アンチエイジング化粧品 ~しわ・シミ対策~」をテーマに香粧品学会・抗老化機能評価専門委員会のワーキングメンバーとして活躍、肌分析アルゴリズムの開発研究を担当されている大場 愛先生に抗シワ化粧品と美白化粧品について、その作用メカニズムを踏まえて解説して頂く。
 続いて「メンズのための紫外線ケア&基本メイク ~ワンポイント魅力アップ提案~」と題して理美容、エステティック専用商品を取り扱うプロフェッショナル部門に所属しCIDESCO認定エステティシャンとしてエステティック施術開発も行っている山口 知美先生にメンズメイクの必要性についてご講演を頂く。
 今回の学術会議講演を聴取することで、化粧品について正しい知識を持ってお客さまへより具体的で適切なアドバイスができるエステティシャンや理美容師として活躍されることを願っている。

略歴
1980年
東邦大学医学部医学科卒業
1985年
皮膚科専門医 第3130号
1999年
認定産業医 9806973号
同年
医学博士取得(東邦大学乙第2126号)
2000年
米国Cincinnati大学皮膚科学教室留学
2005年
東邦大学医学部皮膚科学第一講座講師
2007年
同講座准教授
2010年
東邦大学医療センター大森病院 スキンヘルスセンター
2012年
同講座臨床教授 退官後同講座客員教授

資格、役職など
・公益財団法人 日本エステティック研究財団 理事長
・公益社団法人 日本毛髪科学協会 副理事長
・消費者庁 消費者安全調査委員会サービス等 事故調査部会 臨時委員



大場 愛(顔写真)
教育講演
アンチエイジング化粧品
~シワ・シミ対策~

大場 愛 株式会社ポーラ ブランドクリエイティブ部

 通常、我々が認識する「アンチエイジング化粧品」には、「化粧品」と「医薬部外品(薬用化粧品)」がある。 「化粧品」が標榜できる効果効能は、たとえ実際に効果を発揮するだけのパワーを持っていたとしても、厚生労働省が認める57項目の範囲に制限されており、その中で「シワ」「シミ」に関するものは、「乾燥による小ジワを目立たなくする。」「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。」の二つである。一方、「医薬部外品」は厚生労働省に申請し承認されなければならないというハードルはあるが、「シワを改善する。」「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ。」といった一歩踏み込んだ効果効能を謳うことができる。「シワを改善する。」という効能表現は、2017年に初めて承認された。
 シワ対策化粧品は、乾燥により目立つようになる小ジワ、いわゆるちりめんジワを保湿により目立たなくするものである。医薬部外品では、真皮の大部分を占めるタンパク質・コラーゲンの分解を抑制し生成を促進することで肌のハリや弾力を向上させ、シワを改善するものや、表皮のヒアルロン酸やセラミドの産生を促進し肌の柔軟性をアップすることで、シワを改善するものなどがある。
 「シミ」に関して化粧品の効能効果で認められているのは、「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。」であり、いわゆる美白効果は謳えない。医薬部外品であっても、「美白」と謳う場合は、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ。」あるいは「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。」という注釈を添える必要があり、「できてしまったシミを消す。」といった表現は認められていない。メカニズムとしては、メラニンの生成を抑制するもの、メラニンを還元してシミを薄くするもの、肌のターンオーバーを整えてメラニンの排出を促すものなどがある。
 本講演では、抗シワ化粧品と美白化粧品について、その作用メカニズムとともに解説する。

略歴
1992年ポーラ化成工業株式会社(研究所)入社、主に抗老化(シワ)研究・表皮角層研究に従事。日本化粧品工業連合会・シワ評価法専門委員会、日本香粧品学会・抗老化機能評価専門委員会のワーキングメンバーとしても活動、抗シワ機能評価試験ガイドラインの策定に携わった。2017年株式会社ポーラ出向、主にサイエンスに基づいた肌分析アルゴリズムの開発を担当。



山口 知美(顔写真)
教育講演
メンズのための紫外線ケア&基本メイク
~ワンポイント魅力アップ提案~

山口 知美 株式会社資生堂 グローバルブランド価値開発センター
クロスブランド価値開発室

 近年、男性のスキンケアやメイクに対する意識が著しく変化しています。
 メディアでは、メイクをした男性芸能人を目にする機会も増え、男性がスキンケアやメイクをすることが特別なことではなくなってきました。
 その背景には、ジェンダーに対する価値観、自己表現や美意識の多様化など、女性だけではなく男性を含めた社会全体の意識変化があります。
 今後も、男性の化粧を通じた自己表現の幅は、個々のライフスタイルや価値観の進化に伴いさらに広がりを見せていくことが予想されます。
 一方、実際にスキンケアやメイクを日常に取り入れている男性は若年層が中心で、年代が高くなるほど「興味はあるけど何から始めたら良いのか分からない」「必要性を感じない」「わざとらしくなってしまうのは嫌」などの理由から、チャレンジが出来ていないという現状が明らかになりました。メディアやSNSなど簡単に情報が入手できる時代ですが、沢山の情報が飛び交う中で信頼できる正しい情報や、自分に合ったより良い情報を選択する事は、かえって困難とも言えます。そのような現在において、専門知識があり、かつお客さまの髪や肌に触れている皆さまは、お客さまにとって信頼できる心強いアドバイザーです。
 化粧品は、肌に合ったものを正しくご使用いただくことで、安全かつ快適に、本来の力を発揮することができます。資生堂の研究開発では、お客さまが化粧品に触れるシーンにまで着目し、より効果を感じていただける使い方や快適に使い続けていただける感触にも向き合い研究を続けています。
 今回の講演では、特に化粧ビギナーである男性のお客さまへのアドバイスを想定し、スキンケアは、ベーシックケアを中心に“効果を実感いただける使用方法とアイテムの選び方”を、メイクは、初めてでもトライしやすい“自然に仕上がるメンズメイクのポイント”を、男性の肌の特徴を踏まえてお伝えいたします。
 また、紫外線ケアは、海などのレジャー時のみの使用にとどまっていることが多く、夏を過ぎるとケアの意識が低くなりがちです。忘れられやすい紫外線ケアですが、若々しく健やかな肌を維持する為には年間を通して対策が必要です。
 男性肌の特徴に合った適切なケアを、お客さまに身につけていただくことができるようご紹介したいと思います。
 来店されるお客さまが、日々の生活を素敵に豊かに過ごしていただくための、アドバイスの参考になれば幸いです。

略歴
資生堂入社後、店頭、本社業務を経て、理美容、エステティック専用商品を取り扱うプロフェッショナル部門に配属。全国の理美容師さまに向けて、男性スキンケアのご紹介方法をご案内するセミナー活動等を行う。現在は研究所にてCIDESCO認定エステティシャンとしてエステティック施術開発などを行う。



村上 泉子(顔写真)
共催セミナー(一般社団法人日本エステティック協会)
近年における生活者の美容意識・行動について
~web調査の結果から~

村上 泉子 花王株式会社 化粧品事業部門
 ビューティリサーチ&クリエーションセンター

 “ダイバーシティ&インクルージョン”という言葉が使われて久しくなるが、美容業界に携わる我々にとっても、生活者の美容意識と行動に関しては、重要な関心事の一つであろう。新型コロナウイルスの影響を受けた2020年以降、生活者の美容意識と行動は大きく変化し、ますます多様化してきている。本講演では、生活者を対象としたweb調査でのアンケート結果を中心に、昨今の生活者がどのようなことに関心を持ち、美容に取り組んでいるのかを紹介する。

    (1) 
    美容意識・スキンケアに関する意識と行動
    メイクアイテムは安いもので済ませる一方で、スキンケアにお金と時間をかける意識が高まっている。
    丁寧なスキンケアを行おうとする意識やスキンケアへかける平均月額など、ライフステージによっても、その意識や行動の差があり、特徴みられる。
    (2)
    エステティックサロンに対する興味関心
    エステティックサロンの利用率や今後の利用意向は、増加傾向にある。特に10代、30代で、昨年までの利用率は大きく増加している。
    (3)
    スキンケア製品の使用率の変化
    クリーム、日やけ止め、パックなどの使用率の増加が目立つ。
    (4)
    男性のスキンケア意識
    洗顔料、化粧水などのスキンケア製品の使用実態は、男女間の差はほとんどない。

     インターネットやSNSなど、多種多様のメディアの普及により、情報が簡単に入手できるようになったことで、 美容に関する知識や製品に対する生活者の関心は、一層高まるとともに、複雑且つ多様に広がっていく。昨 今の生活者の意識を理解することで、美容意識の変化や将来の展望について考えてみたい。みなさまの日々 のサービスや技術アップなどの活動を進めていくうえで、少しでもヒントとなれば幸いである。

略歴
生活環境や生体リズムが肌に与える影響など、長年、皮膚の生理機能、肌評価に関するヒト計測研究に携わる。 現在は、これまでの研究活動で得た知見を活かし、肌の知識や一人ひとりに寄り添ったお手入れアドバイスなど、 さまざまな形で美容情報の発信を行っている。博士(工学)。









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