エステティック学術会議


■第18回エステティック学術会議

●美容医療とエステティック

期間2025年11月1日~11月30日 Web配信

受講料無料

申込方法
タイトル第18回エステティック学術会議
本 文氏名(ふりがな)、連絡先電話番号、メールアドレスを記載の上
送信してください。
メール確認後、11月1日にURL及びIDとパスワードを発行します。

主催公益財団法人日本エステティック研究財団

後援厚生労働省

協力全国理容生活衛生同業組合連合会
全日本美容業生活衛生同業組合連合会
一般社団法人日本エステティック協会
一般社団法人日本エステティック業協会



○講演内容

●ご挨拶関東 裕美氏 公益財団法人日本エステティック研究財団 理事長

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●基調講演「美容医療とエステティック」
古川 福実 氏
和歌山県立医科大学名誉教授
公益財団法人日本エステティック研究財団理事

抄録

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●教育講演「美容外科手術後の注意点~美容外科医の立場から~」
原岡 剛一 氏
神戸大学大学院医学研究科形成外科学客員教授
抄録

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●教育講演
「美容医療の現状~皮膚科医の立場から~」
岡島 加代子 氏
Think Park 皮膚科クリニック 院長
抄録

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●共催セミナー
(共催 一般社団法人日本エステティック協会)
「エステティックが紡ぐ繊細なケア
:美容医療と鍼灸の架け橋としての役割」

日暮 香奈子 氏
Accord・ACE株式会社 代表取締役
アキュボーテ東京鍼灸院 院長
抄録

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古川福実(顔写真)
基調講演
美容医療とエステティック

古川 福実
 高槻赤十字病院 名誉院長/顧問/ 皮膚・形成外科センター長

 和歌山県立医科大学名誉教授

講演の機会を与えていただきましてありがとうございます。演題は美容医療とエステティックになっておりますが、私は大学医学部の皮膚科に勤めており、その後公的な病院に勤めております。その関係で、エステティックにどのように関わってきたかをお話ししたいと思います。

私は1999年に和歌山県立医科大学の皮膚科の教授に就任いたしました。それ以前は美容医療とかエステティックなどとは全く無関係でありました。ところが2000年前後、美容皮膚科に関係していろいろトラブルが多いので、若手の皮膚科教授を中心に委員会を立ち上げて、何とか指針を出しなさいと言うことでありました。美容皮膚科、あるいは美容医療といっても大変幅と奥は広いので、とりあえずPIO-NETと言う全国消費生活情報ネットワーク・システムに蓄積された消費生活に関する苦情相談情報で問題が多々指摘されていたケミカルピーリングについて調査及び可能であれば指針を作りましょうと言うことになりました。そこで当時の日本皮膚科学会理事長から指名を受けたのが私古川でございました。日本エステティック研究財団は、当時の大原國章理事長が中心となって安全安心なケミカルピーリング指針をすでに発表されていましたので、参考にさせていただきました。
2001年に日本皮膚科学会から日本ケミカルピーリングのガイドライン(GL)を発表することができました。これを契機に、日本美容皮膚科学会雑誌編集長や同学会の理事、理事長、2005年第23回日本美容皮膚科学会会頭などを経験しました。私は当初、美容皮膚科を独立した体系として確立したいと思っておりましたが、美容皮膚科を皮膚科日常診療に活かそうと言うように方向性を変えました。当時の発表原稿を振り返ると、美容皮膚科学とは『結局 自己とは何かを問いかける学問である』と、訳のわからぬことを述べておりました。
いずれにせよ、皮膚のことで一番詳しいのは皮膚科医なので、美容皮膚科に背を向けないで、正面から取り組もうと言うようにおもいましたし、情報発信もいたしました。
また、エステテシャンの方との勉強会が大切と考えて、産官学連携と組み合わせて、和歌浦再生プロジェクトのなかに一年に一回 エステティシャンプロフェッショナル技術者養成講座を主に和歌山医大で行いました。日本エステティック研究財団の全面的なバックアップを受けて、各回にテーマを設けて行い、修了証書もお渡しすることができました。10回行い、ほぼほぼミッションは終了したと判断いたしました。その発展形としていくつかの厚労科研の研究を和歌山医大の人工気候室を利用して行いました。
現在、高槻赤十字病院に勤めていますが、できる範囲で美容医療に関与しています。その辺りの経緯を消化して、私なりの「美容医療とエステティック」の思いを述べさせていただきます。

略歴
1978年
京都大学医学部卒業
1986年
米国コロラド大学医学部皮膚科
1993年
浜松医科大学医学部皮膚科助教授
1999年
和歌山県立医科大学皮膚科教授
2017年
日本赤十字社高槻赤十字病院 病院長
2017年
和歌山県立医科大学名誉教授、大阪公立大学皮膚科客員教授
公益財団法人日本エステティック研究財団理事 (現在に至る)
2018年
一般社団法人大阪府病院協会理事 (現在に至る)
2022年
高槻赤十字病院名誉院長 同顧問/皮膚・形成外科センター長 一般社団法人日本病院会代議員(現在に至る)


資格
京都大学医学博士
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本アレルギー学会認定医専門医
日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医


賞罰
1)
Dermatology Foundation Fellowship Award 第44回 米国皮膚科学会総会(ラスベガス)
1985年12月
2)
Congressus Mundi Dermatologie Scientific Award 第17回 世界皮膚科学会(ベルリン)
1987年5月
3)
ILDS (the International League of Dermatological Societies) Certificate of Appreciation
第25回 世界皮膚科学会 (ミラノ) 2019年6月
4)
第16回和歌山県皮膚科医会医学奨励賞 和歌山県皮膚科医会 (和歌山市)
2021年10月16日
5)
Master of Dermatology (Maruho) 受賞
2022年 日本皮膚科学会総会にて
6)
令和4年度 リディアオリリー記念ピアス皮膚科学振興財団 安田・阪本賞
2022年 日本皮膚科学会東京支部総会にて









原岡剛一(顔写真)
教育講演
美容外科手術後の注意点~美容外科医の立場から~

原岡剛一
 神戸大学大学院医学研究科形成外科学客員教授

本講演では、そして美容外科手術後に注意していただきたい点についてお話しします。まず、エステティックは医療行為ではありません。身体に侵襲的な処置を行うことはできないため、得られる効果は相対的に小さくなります。しかし、それをもって「エステティックは無意味だ」と捉えるのは誤りです。多くの方がエステティックを必要としており、その役割は確かに重要です。大切なのは、その特性を正しく理解し、安全を最優先に施術することです。
とくに注意したいのが、美容外科手術後の方への対応です。術後の顔は非常にデリケートな状態にあり、強い刺激は回復を遅らせたり、場合によっては合併症につながることがあります。近年日本では、下まぶたの「クマ治療」の一つとして、「眼窩脂肪移動術・再配置術(ハムラ法)」が増えています。これは、膨らみの原因である脂肪を切除せず、膨らみの下に生じている溝へ移して、すっきりとさせる手術です。現在は皮膚を切らずにまぶたの裏側(結膜側)から行う方法が増えており、それは表面に傷が見えないのが長所です。ただし、手術操作が及ぶ範囲は下まぶた周囲にとどまらず、頬骨上のエリアまで及ぶことが少なくありません。術後1週目までは、あざ(皮下出血)や腫れが目立つためデリケートな状態であることが分かりやすいのですが、2週目になると一見落ち着いたように見えてきます。しかしながら、実はまだ回復途中で、その部位への強いマッサージ、圧迫、吸引、振動、過度の温熱などは、腫れの遷延や出血のリスクになります。皮膚を切って縫合したケースでは、約1週間で抜糸となりますが、これは単に「皮膚の傷が閉じた」段階であり、治癒が完了したわけではありません。とくにハムラ法では深層(骨の表面)まで操作が及ぶため、慎重な配慮が必要です。
とはいえ、エステティシャンの皆さんが美容外科の全手術を細部まで把握するのは現実的ではありません。だからこそ、施術前に利用者の方から丁寧に経過を伺い、「手術後であるか」「実施時期と方法は何か」を確認し、不明点があれば担当医に相談・確認していただくことが最も重要です。エステティックと美容医療が互いの役割を尊重し、安全を最優先に連携することが、利用者の方々の大きな安心につながると考えています。

略歴
1994年
大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部 卒業
1994年
大阪市立大学(現大阪公立大学)形成外科 入局
2018年
神戸大学医学部附属病院美容外科 診療科長兼特命准教授
2023年
ソウル大学形成外科 客員教授
2023年
神戸大学大学院医学研究科形成外科学 客員教授
現在に至る









岡島加代子(顔写真)
教育講演
美容医療の現状~皮膚科医の立場から~

岡島 加代子
 Think Park皮膚科クリニック 院長

当院は大崎で開業して18年目の皮膚科のクリニックで保険診療と美容:レーザー(あざ・シミ・ホクロ・イボ・脱毛)、フィラー(ボトックス-ヒアルロン酸)を行っている。安全な美容医療を行うにはレーザー照射前に正確に診断することが大事であり、例えばシミが主訴であれば老人性色素斑、肝斑、悪性腫瘍等の鑑別は欠かせない。ホクロであれば盛り上がっているのか 平らなのか、年齢や発生部位によっては、黒色が後日また出てくる(再発)ことがあるので事前に患者への説明が必要になる。

当院ではシミへのレーザーや脱毛は夏の時期はお休みし10月〜3月までの紫外線の少ない時期としている。日焼けした皮膚にレーザー照射するとレーザー光はメラニンに吸収されてしまうため、日焼けした茶色皮膚に吸収し白く抜けてしまい、本来除去したいシミや毛根などの深さに届かなくなってしまう。レーザー照射した部位はいわば素通しガラスの状態であり照射後の遮光が重要になってくるので、晴れの日だけでなく曇りや雨の日でもU Vクリームを塗布していただく必要がある。

一方フィラーの施術前には他治療と同様に既往歴や内服歴などの情報を得てから実施する。 注入の基本は顔面の解剖と老化(①顔面骨格、②支持靭帯、③脂肪組織、④筋肉(表情筋)、⑤皮膚などのボリュウムの減少、たるみ、下垂、しわが相互に影響し顔面の加齢は進行)を考慮し注入部位や量を決める。施術後はボトックスもヒアルロン酸ともにタンパク質であり温熱刺激が加わるとタンパク変性が生じ固くなってしまう可能性がある。(生卵が目玉焼きやゆで卵になる感じです)またマッサージを加えると周囲に薬剤が拡散し注入部位の濃度が薄くなったり、吸収が良くなるため本来の効果が得られなかったり、持続期間が短くなる可能性があるため避ける必要がある。美容医療後のエステ施術の参考になるような講演をさせて頂きたい。

略歴
1994年3月
日本大学医学部卒業
1994年4月
国立東京第二病院内科研修医(現東京医療センター)
1996年4月
虎の門病院皮膚科
2002年
表参道皮膚科
2003年
同愛記念病院皮膚科非常勤、山王病院皮膚科非常勤
2005年
丸の内クリニック皮膚科、山王病院皮膚科非常勤講
2008年
ThinkPark皮膚科クリニック開院、山王病院皮膚科非常勤(現在は退職)









日暮香奈子(顔写真)
共催セミナー(一般社団法人日本エステティック協会)
エステティックが紡ぐ繊細なケア
:美容医療と鍼灸の架け橋としての役割

日暮 香奈子
 Accord・ACE株式会社 代表取締役
 アキュボーテ東京鍼灸院 院長

(一社)日本エステティック協会理事としての立場、ならびに鍼灸美容サロン運営者としての実務経験に基づき、エステティックが美容医療および鍼灸とどのように共存し、相互補完的に機能し得るかを検討する。
近年、美容医療を受診後にエステティックや鍼灸による追加的ケアを希望する顧客が増加している。
エステティックは医療行為を担うものではないが、繊細な触覚的アプローチや肌に直接介入する施術を通じて、美容医療や鍼灸により得られた効果を補強し、その持続性を高める可能性を有している。
本発表では、エステティックが美容医療と鍼灸の「架け橋」として果たし得る役割を理論的・実践的観点から整理する。
さらに、三領域の連携によって創出される新たな美容的価値を考察し、トータルビューティーの包括的モデルの一端を提示する。


略歴
1998年より大手エステティックサロンに勤務し、店舗運営拡大やスタッフ育成に関わる。
2002年より専門学校講師として教育に従事し、2005年講師業のかたわら自宅サロンを開業。鍼灸師資格を取得後、2014年に鍼灸美容サロン「アキュボーテ東京」を開院。エステティックや一般鍼灸のほか、医療機関と連携し、不妊治療や更年期の分野での鍼灸治療も行っている。
現在は日本橋・新宿での臨床に加え、国際的な施術交流や研修を通じて海外での臨床経験も広げている。







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