エステティック学術会議


■第19回エステティック学術会議

●エステティックと医療の境界
今回の学術会議では、エステティックサービスと医療行為との境界領域が年々不明確化している現状を踏まえ、消費者保護、安全管理及び実務運用等の多角的な観点から講演を実施することにより、医療行為への抵触防止を図るとともに、適正な業務範囲に対する理解の促進を目的とします。
エステティックと医療の境界



期間2026年11月1日~11月30日 Web配信

受講料無料

申込方法 宛
タイトル第19回エステティック学術会議
本 文氏名(ふりがな)、連絡先電話番号、メールアドレスを記載の上
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メール確認後、11月1日にURL及びIDとパスワードを発行します。

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主催公益財団法人日本エステティック研究財団

後援厚生労働省

協力全国理容生活衛生同業組合連合会
全日本美容業生活衛生同業組合連合会
一般社団法人日本エステティック協会
一般社団法人日本エステティック業協会



○講演内容

●ご挨拶関東 裕美 氏 公益財団法人日本エステティック研究財団理事長

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●基調講演「サロンにおけるリスクマネジメント
~プロとして知っておくべき皮膚感染症知識とサロン衛生管理~」

後藤 由美子 氏
公益財団法人日本エステティック研究財団理事
株式会社 美・ボーテ研究所代表

抄録

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●教育講演「美容皮膚科の主な手技の基礎と実際」
乃木田 俊辰 氏
のぎた皮ふ科クリニック院長
東京医科大学皮膚科客員教授

抄録

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●教育講演
「回復期リハビリテーション病院における化粧療法の実践」
小笠原 彩華 氏
蒲田リハビリテーション病院言語聴覚士
抄録

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●共催セミナー
(共催 一般社団法人日本エステティック協会)
「透析患者を支えるソシオエステティックの実践から
~エステティックと医療の境界~」

酒井 咲子 氏
le soleil(ルソレイユ) 代表
AJESTHE認定ソシオエステティシャン

抄録

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後藤 由美子(顔写真)
基調講演
サロンにおけるリスクマネジメント
~プロとして知っておくべき皮膚感染症知識とサロン衛生管理~

後藤 由美子
 公益財団法人 日本エステティック研究財団 理事
 株式会社 美・ボーテ研究所代表

 エステティシャン向けの技術やサービスが高度化する現代において、サロン経営におけるリスクマネジメントの重要性はかつてないほど高まっています。その中でも見落とされがちなのが、プロとして知っておくべき皮膚感染症の知識とサロンでの衛生管理です。サロンの現場では、お客様自身が全く自覚のないまま皮膚感染症を抱えて来店されるケースが少なくありません。エステティシャンが施術前の肌チェックでこれらを見極める確かな知識を持っていなければ、施術の刺激によって症状を悪化させてしまう恐れがあります。それだけでなく、施術者自身への感染や他のお客様への二次感染を引き起こし、最終的にはサロンの信用失墜という取り返しのつかない事態を招きかねません。だからこそ私たちは、プロとしてそれらを見極めて適切に対応することの重要性を正しく理解する必要があります。
 私たちが日々の現場で特に警戒すべき代表的な皮膚感染症として、まずは微小な傷から感染し周囲に拡大しやすいウイルス性イボが挙げられます。また、バリア機能が低下した肌に好発し、強力に感染する伝染性膿痂疹(とびひ)などの細菌感染症にも細心の注意が必要です。また、梅毒は近年感染者が増加している疾患として知っておくことが必要です。
 さらに、高温多湿な夏場に急増する白癬や、激しい痒みを引き起こし、直接的な接触だけでなくタオルの共用などでも感染が拡大する疥癬のリスクも見逃せません。
 これらのリスクからお客様とサロンを守るためには、サロン内感染を徹底的に防ぐ衛生管理策が不可欠です。施術前後の手指消毒や器具のエタノール清拭、そしてターバン、ガウン、シーツ類の一客ごとの交換を徹底し、感染経路を確実に遮断することはプロの義務です。また、実際に肌の異常を発見した際のカウンセリング対応こそ、エステティシャンの真価が問われます。「これはうつる病気なので施術できません」と病名を断定して拒絶するような対応は、お客様に不安と不快感を与える最悪の例です。医療行為にあたる診断を避けつつ、お客様の気持ちに寄り添い、お肌を最優先に考えた代替案を提示することも私たちができることです。皮膚感染症の正しい知識は、お客様とサロンの双方を守る盾となります。本講演を通じて、確かな観察眼と徹底した衛生管理を身につけ、安全で信頼されるサロン、そして誰からも選ばれ続けるエステティシャンへの第一歩を共に踏み出しましょう。

略歴
資生堂グループにて化粧品販売、商品開発に携わり、国内外の美容技術者教育およびサロン運営に従事。その後、技能五輪国際大会出場選手の育成や、看護大学における緩和ケア領域のエステティック教育を担当。現在は皮膚科クリニックでエステティックに携わる傍ら、心と身体に寄り添う美容ケアの普及と人材育成に力を注いでいる。








乃木田 俊辰(顔写真)
教育講演
美容皮膚科の主な手技の基礎と実際

乃木田 俊辰
 のぎた皮ふ科クリニック院長
 東京医科大学皮膚科客員教授

 はじめに、美容皮膚科の対象は健常な皮膚であるから、病的な皮膚を対象とする皮膚科学を習得しなくても良いと認識を持つ人がいるかもしれません。この考え方は誤りであり、美容目的であれ、皮膚に対する施術を行うからには、基本的な皮膚科学を習得することが必要です。
 美容皮膚科の手技は、多岐にわたっており、外科的方法(サージカル)、非外科的(ノンサージカル)に大別されます。サージカルは、主に美容外科、形成外科の医師が実施しています。今回は、ノンサージカルでの美容皮膚科的手技について解説します。
 美容皮膚科的手技の代表は、レーザー治療とケミカルピーリングです。
(1)レーザー治療
A)しみの治療
まず大切なことは、シミの診断です。良性か悪性かの診断から、レーザーの適応のある状態かを判断することです。良性の場合、母斑性のものか、通常の光老化(老人性色素斑)で生じるものか、一般的にレーザー治療の適応でない肝斑かを鑑別することが重要です。
B)レーザー脱毛火傷、炎症後色素沈着、炎症後脱色素斑、硬毛化のほか、主観的満足度のクレームなどの注意が必要です。
(2)ケミカルピーリング
皮膚にピーリング剤(グリコール酸、乳酸、サリチル酸)を塗布し、角質剥離作用、その後の創傷治癒機序により、ざ瘡、日光黒子、肝斑、炎症後色素沈着、小じわなどを改善する。

略歴
1979年
熊本大学医学部卒業、皮膚科入局
1985年
東京大学 医学部皮膚科入局
1986年
医学博士取得(東京大学)
1993年
東京女子医科大学皮膚科准教授
 
米国ハーバード大学医学部留学
2003年
新宿南口皮膚科院長
2010年
東京医科大学皮膚科客員教授
2025年
のぎた皮ふ科クリニック院長








小笠原 彩華(顔写真)
教育講演
回復期リハビリテーション病院における化粧療法の実践

小笠原 彩華
 蒲田リハビリテーション病院言語聴覚士

 回復期リハビリテーション病院は、脳血管疾患や運動器疾患などにより生活するための機能が低下した患者が、急性期の治療を終えた後、リハビリテーションを行う場所である。リハビリは、理学療法士(PT)は起き上がりや立ち上がりなどの基本動作や歩行、作業療法士(OT)は更衣や整容などの日常生活動作、上肢機能や認知機能、言語聴覚士(ST)はコミュニケーション、高次脳機能、嚥下などを中心にリハビリテーションを行い、多職種で患者の生活を支えている。
 回復期に入院する患者は、それまで当たり前にできていたことが突然できなくなり、これまでの生活や役割を失ったことで、「自分の人生が急に変わってしまった」という戸惑いや不安を抱える時期でもある。そのため、身体機能の回復だけでなく、退院後に趣味や外出、人との交流など、その人それぞれが大切にしてきた生活 を再獲得することを目指している。
 近年、回復期のリハビリで化粧療法が注目されており、当院でも化粧療法を実施している。これまでの研究では、化粧療法により、認知症高齢者のBPSD(Behavior and Psychological Symptoms of Dementia)や幸福感、認知機能、意欲の改善が報告されている。高齢者を対象とした研究では、化粧療法による自己認識や生活機能、口腔機能・食事動作への影響についても報告されおり、化粧療法は心理面だけでなく、認知機能、意欲、社会交流、生活機能、口腔・摂食機能など、幅広い領域への有用性が期待されている。
 当院でも化粧療法を実施し、表情の変化がなく、ほとんど声を発することがなかった患者が、化粧品を前にすると「この色がいい」と自ら話し始めることがある。また、化粧を諦めていた患者が自助具を使用し化粧が出来るようになることにより、「人に会いたい」と思え社会交流が増えたなど化粧という活動を通してさまざまな変化が生まれている。
 本講演では、回復期リハビリテーション病院の役割とPT・OT・STなどによるリハビリテーションについて紹介するとともに、当院で実践している化粧療法を具体的な事例を交えて紹介する。化粧がもつ「人をきれいにする力」だけではなく、「やってみたい」「自分らしい生活を取り戻したい」という気持ちを引き出し社会参加へつなげる可能性について、化粧療法がリハビリにもたらす効果について紹介をしたい。

略歴
2009年
帝京平成大学 健康メディカル学部 言語聴覚学科 卒業
2009年
八千代リハビリテーション病院
2011年
蒲田リハビリテーション病院








酒井 咲子(顔写真)
共催セミナー(一般社団法人日本エステティック協会)
透析患者を支えるソシオエステティックの実践から
~エステティックと医療の境界~

酒井 咲子
 le solei(ルソレイユ)代表
 AJESTHE認定ソシオエステティシャン

 安全で信頼されるエステティックサービスの提供には、医療との目的・役割の違いを理解し、専門領域と実施範囲を明確にすることが重要である。本講演では、透析患者へのソシオエステティックの二つの実践報告を通じて、患者の生活の質を支えるケアの可能性と、医療職との連携に必要な条件を検討する。

 第1の症例は、急性硬膜下血腫術後の意識障害により言語的な意思疎通が困難な70歳代女性である。 コロナ禍の面会制限により、家族との交流も制約されていた。医師・看護師との連携のもと、週1回、ベッドサイドでハンド・フット・フェイシャルのケアが行われ、皮膚状態の改善とともに、穏やかな表情や視線による反応が観察された。

 第2の症例は、糖尿病性腎臓病により血液透析を受け、皮膚乾燥と心理的不安を伴う70歳代男性である。 生活保護を受給し、面会者がなく、孤立感や将来への不安を抱えていた。月1~2回、約7年間、計96回にわたり、保湿を含むハンド・フットケア等と会話・傾聴が継続された。経過中、皮膚乾燥の改善、掻破・出血の減少、自発的な保湿行動がみられ、安心や楽しみを語る発言が記録された。終末期には、全身状態に応じて清拭中心のケアへ調整された。

 両症例から、身体へのケアを通じた継続的な関わりが、患者の反応や気持ちを受け止め、安心感や主体性を支える可能性が示唆される。一方、いずれも記述的な症例報告であり、介入との因果関係やQOLの改善を実証するものではない。

 実践にあたっては、患者の意思とプライバシーを尊重し、医療職と目的、実施範囲、役割を共有することが重要である。日本エステティック協会の立場から、人材育成、実践記録の蓄積と評価方法の検討、経済的背景にかかわらないケア機会の確保、費用負担を含む継続可能な提供体制の整備を今後の課題として考察する。








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